2021年シーズン ルヴァンカップ 準々決勝 1stleg 浦和レッズー川崎フロンターレ 感想

浦和駒場スタジアムで行われた浦和レッズ-川崎フロンターレの試合は、1-1の引き分け。ジェジエウ、車屋とCBの二人が試合中に負傷、登里がCBに入り、ルーキーの田邉を投入せざるを得ない苦しい展開でしたが、アウェイゴールを奪い、引き分けで試合を終えました。試合中に起こったアクシデントを考えれば、アウェイゴールを奪っての引き分けは満足すべき結果です。

 

この試合は、後半3TOPに左から家長、レアンドロダミアン、小林を並べる新しい形だったり、田邉を左SBに入れて、登里を3年振りのCBで起用(2018年シーズンのアウェイG大阪戦以来です)するなど、アクシデントに対しての応急処置的な意味合いが強い起用ながらも、新しい形を試す事ができました。

 

ジェジエウと車屋が負傷した事で、普段見る事の出来ないポジションでのプレー、出場機会が少ない選手のプレーを見れたので、スクランブルな展開に選手達はどうやって対応するのだろうかと、いつもとは違った観点で楽しめた試合でした。

 

鬼木監督のチームマネージメントは、選手を試合に出場させる、ベンチに入れるラインを厳格に設定し、そこに届かない選手は余程の事がなければ試合に出場させません。チームの秩序を維持する為には重要ですが、選手は試合で使わないと成長、変化しません。その意味ではチームの底上げをするのが難しいやり方です。常に一戦必勝のスタンスなので、試合を使って、何かを実践で試すのが上手くない部分があります。

 

個人的に全部試合勝つのなんて不可能なんだから、負け試合をいかに「上手く負けるのか」が大切だと考えています。負けた試合で、周りに悟られぬよう、実践で試したい事を試す。それが後々の懐の深さや引き出しの豊富さに繋がります。

 

負傷者が出た事で、ホームで迎える2ndlegはさらに厳しい選手起用を迫られていますがこんな時だがらこそ、出場機会の少ない選手達の力を発揮して欲しい。2016年シーズンの天皇杯ベスト16の様な試合が見たいですね。この時も対戦相手は浦和レッズでした。中村や大島、小林を欠きながらも、大久保やチョンソンリョンの様なベテランが試合の中で戦い方を示し、当時出場機会が少なかった三好や板倉、長谷川が躍動。西川と槙野以外はベストメンバーだった浦和レッズPK戦の末、勝利した試合です。

 

出場機会が伸びない、小塚、イサカゼイン、神谷、田邉には、もし次の試合で起用されたら失敗だったり、チームの約束事に囚われ過ぎず、自分の得意なプレーを見せて欲しい。少しぐらいできなくても出場機会の多い選手がカバーしてくれると思います。負傷者が多いのは良い事ではありませんが、見方を変えればチームに新しい風を入れるチャンスではないでしょうか。今のチームには少し新鮮さが足りていないので、フレッシュに溌剌としたプレーでチームに刺激を与えて欲しいですね。楽しみにしています。