2022年シーズン アジアチャンピオンズリーグ グループステージ 第6節 川崎フロンターレー広州FC 感想

タン スリ ダトー ハジ ハッサン ユヌススタジアムで行われた川崎フロンターレ-広州FCの試合は1-0で川崎フロンターレが勝利しました。私は20数年川崎フロンターレの試合を見ていますが、その中でも5本の指に入る酷い内容で醜い試合でした。勝利した試合では最低かもしれません。この試合の勝利給や出場給は対戦相手の広州FCの若い選手達に支払った方が良いと思う程でした。

 

この試合に限らず、今シーズン川崎フロンターレの試合を見ていて、楽しさよりも不快感を覚える事の方が多く、その理由は何なのか?と自らに問いかけながら、試合の映像を見直していたのですが、ようやく気付く事ができました。

 

それは、選手達がベンチの方を見る回数が異常に多い事です。監督やコーチングスタッフが授けた精度の高い対策、スカウティングがあるのは理解できます。それを忠実に遂行する事も勝利の為には重要です、分かっています。

 

しかし、選手達が戦う相手は目の前の対戦相手です。今シーズン、事前の準備で及ばなかった試合に関してはあっさり敗戦していますがこれが原因です。準備した事を遂行するの精一杯で目の前の相手を見て対応できない事です。ある程度の力の対戦相手には勝てますが、前回も書いた実力のあるチーム(例:蔚山現代横浜Fマリノス、ベストメンバーのジョホール)には勝てません。これではタイトル獲得は難しいです。

 

個人的に川崎フロンターレの大半の選手は、ピッチの中では無く、監督が答えを持っていると考えてプレーしているように見えます。試合の中での正解なんて誰にも分かりません。一つ確かなのは、自らと対戦相手のプレーの中からそれを見つけ、対策を実行しなくてはならない事です。

 

次節のアウェイ清水エスパルス戦ですが、勝ち負け以上に対戦相手を見てサッカーをして欲しい。それ以上は求めません。

 

余談

 

いない選手の話をしても仕方ないのですが、相手を見て戦う能力が最も高いのは大島です。次に家長と登里が続きます。大島のプレーを見て、脇坂や橘田には勉強して欲しいのですが、それが出来ない事が現状大きく響いています。大島には中村がいました。守田や田中、旗手には大島と中村がいました。大島不在であれば、家長にその役割を託したいところですが、現在、家長への負担がかってない大きさになっています。今シーズン、家長のプレーに安定感がないのはそれが原因かもしれません。言える事は大島さんお帰りをお待ちしております。脇坂さん、橘田さん、あなた方が成長しないとタイトル取れないままシーズン終わっちゃうよという事でしょうか。

 

 

ユニフォーム 833枚目 マンチェスターユナイテッド 2006-2007シーズン ホーム用 半袖 スコールズ

2006-2007シーズンに使用されたホーム用ユニフォームです。元イングランド代表でマンチェスターユナイテッドのレジェンドの一人、ポール・スコールズ氏のネームとナンバー入りです。

メーカーロゴは刺しゅう

エンブレムはワッペン縫い付け

スポンサーロゴはラバー圧着。2000-2001シーズンから2005-2006シーズンまで胸スポンサーだったvodafoneからAIGに変わった最初のシーズンでした。このシーズンからプレミアリーグ3連覇、クラブとしては3度目となるチャンピオンズリーグ制覇を達成したので、強いマンチェスターユナイテッドを連想させるロゴでもあります。

袖のプレミアリーグパッチはフロッキー製ワッペン圧着

今在籍している選手だと、ゲームメイクも出来て得点力も高い選手なので、ブルーノ・フェルナンデス選手が一番近いプレースタイルなんじゃないかなと思います。厳密に見ると、スコールズ氏は中盤でのゲームメーカー寄り、フェルナンデス選手はFWに近くアタッカーでよりゴールに直結するプレーが得意です。トップ下やセカンドトップのポジションでプレーすると最も力を発揮するのは共通していますね。

 

マンチェスターユナイテッドですが、今シーズンでラングニック監督の退任、来シーズンより現アヤックスのテン・ハフ氏の監督就任が発表されました。新監督就任に伴い、大規模な選手の入れ替えが発生すると思いますが、ここ数シーズンは毎シーズンのように同じような事を繰り返している様に見えます。

 

率直に言って、2~3シーズンは時間や資金を投じないと、マンシティやリバプールには到底近づけないです。今のマンチェスターユナイテッドに不足しているの継続性であり、諸々のステークホルダーや発言力の強いOBからの外圧から監督を守る体制だと思います。その点が改善されない限り、またここ数シーズンと同じ様な形で終わるんじゃないかと見ています。

 

いっそのこと、カルロ・アンチェロッティ氏やジネディーヌ・ジダン氏のような、戦術的には目立つ要素が無くても、卓越したマネージメント能力で選手の能力を引き出す指揮官にした方が結果が(継続して出せるかどうかは別です)早く出ると考えています。どちらにせよ、いつまでもマンシティやリバプールチェルシーの後塵を拝している訳にはいきません。来シーズンは目立った結果は出なくても、復活の予感がするシーズンになれば良いですね。

 

2022年シーズン アジアチャンピオンズリーグ グループステージ 第5節 蔚山現代ー川崎フロンターレ 感想

タン スリ ダトー ハジ ハッサン ユヌススタジアムで行われた蔚山現代-川崎フロンターレの試合は、3-2で蔚山現代が勝利しました。中盤の軽い守備、数的不利の局面で負けて失点する、脇坂が試合から消える。現時点の2022年川崎フロンターレの課題が全て暴かれたような試合でした。

 

この試合は脇坂にかけて脇坂で負けた試合でした。ピッチコンディションや蔚山現代の実力を考えれば、スコアの動かない我慢比べの展開になる可能性が高く、ロースコアの展開で我慢比べをするのであれば、脇坂では無く、高さと守備力、一発で相手の背中のスペースを突ける中長距離のパスを出せるシミッチが初戦と同様スタメンで出場するのが妥当でした。それでも脇坂をスタメンで起用したのは、前節のジョホール戦で見せたプレーに対しての鬼木監督の期待、情だったと思います。

 

蔚山現代のホンミョンホ監督が、勝ち点3以外は終わり、ボールを持つ事では無く、生き残る為に勝ち点3を取るサッカーをすると言ったのは対照的でした。脇坂をスタメンで使ったのは鬼木監督の「甘さ」だと今回は思っています。ここで勝ち点3を取って蔚山現代ACLの舞台から蹴落とし、これまでの苦手意識を払しょくする大きな勝利、成長に繋がる機会をふいにしました。諸々の要素を天秤にかけて、脇坂にかけたのであれば、失敗した時のダメージも理解しているはずです。それをどうやって挽回するのかは想像がつきません。

 

脇坂に求められたのは、劣悪なピッチコンディションでもボールを受けてチームの潤滑油になる事、セットプレーの局面で正確なキックでアシストやゴールでチームを勝たせる事でした。そう一つ前のジョホール戦で彼が見せたプレーです。現実は残念ながらいつもの様に相手が強敵になるとボールを受けて存在を示せずピッチから消えてしまう、セットプレーで勝負を決めるプレーができないいつものビッグマッチでの脇坂でした。

 

お前は本当にしつこいと言われそうですが何度でも言います。途中で引っ込められる、ベンチに座らせられる14番なんて見たくありません。スタメンでピッチに立ち、勝負が決まるホイッスルが鳴るまでピッチに立ち続け、勝利も敗戦も受け止める。それが川崎フロンターレの14番です。

 

この試合で2022年シーズンの「基準点」となるような内容で勝ち点3を取りたかったですし、それを期待していました。繰り返しになりますが、現実は中盤の軽い守備、数的不利の局面で負けて失点する、脇坂が試合から消える。現時点の2022年川崎フロンターレの課題が全て暴かれたような試合でした。実力差がある相手には騙し騙し戦う事ができても、蔚山現代横浜Fマリノスといった実力のある対戦相手、セレッソ大阪の様なスカウティング能力が高く、それを実践できる選手がいる対戦相手を前には隠し切れない事がわかりました。これが今の実力です。

 

もはや決勝トーナメント進出は神のみぞ知る状況ですが、次の広州FCに勝利しなければ始まりません。恐らく出場機会の少ない選手中心のスタメンになるかと思いますが、彼らがどれだけ熱力を出したプレーをして圧倒的な力を見せてくれるのか。今、スタメンで出場している選手を下げてでもチャンスを与えたくなる様なプレーをしてくれるのか、そこに注目して観戦します。

2022年4月23日 味の素スタジアム 東京ヴェルディ-ジェフユナイテッド千葉

行ってきました。最後に足を運んだのが2016年年末の川崎フロンターレ-FC東京戦だったので、約5年8か月振りの訪問となります。今シーズンはここまで良いサッカーをしている東京ヴェルディ、一度スタジアムで見たいと思っていました。

座席はバックスタンドにしました。結論から申し上げますと座席選びは大失敗でした(笑)。この日は天気が良すぎて日差しがきつかったです。座席に座った第一印象が「熱い」でした。取り敢えず荷物を置いてスタジアムグルメを販売しているイベント広場へ。

 

キボンさんで販売されているミックス弁当。色んなお肉を堪能できる最高の一品です。ボリュームもあるので大満足です。美味しく頂きました。

横には何と喜作が、この看板を見た瞬間に駅前の100円ショップでタッパーを買ってくれば良かったと後悔しました(今はどうかわかりませんが、フクアリの試合でタッパーを持っていくと少し多めにいれてもらえました)。

相変わらずの美味しさでした。これ食べたらフクアリにも行きたくなってきた。

釜揚げしらす丼も頂きました。桜エビとの組み合わせが最高ですね。美味しかったです。

東京ヴェルディの小池選手プロデュースのフレンチトースト。ハーフタイムに美味しく頂きました。

暑さの中、両チームどこでパワーをかけていくのかのペース配分が難しい試合でした。千葉は先制できた事で有利に試合を進められましたが、東京ヴェルディは選手交代で前線に枚数を増やし、最後の15分はWBをFWと同じ高さに上げた5TOPに近い布陣で攻撃を続け、粘り強く前線で駆け引きを続けた佐藤凌我が同点ゴールを決めてくれました。同点に追いついてから、試合終了までのスタジアムの一体感は素晴らしかったです。千葉もヴェルディも持ち味を出した良い試合だったと思います。

スタジアム内を歩いていて良いなと思ったのが、ゴール裏の入り口にあるこの弾幕です。ゴール裏という環境は、チームによって多かれ少なかれ排他的な雰囲気があります。この様に歓迎するメッセージを強く打ち出す事は良いですね。

久しぶりに訪れて、意外と自宅から近く、観戦環境もスタジアムグルメも良かったので、また足を運べればなと思います。

2022年シーズン アジアチャンピオンズリーグ グループステージ 第3節 川崎フロンターレージョホール・ダルル・タクジム 感想

スルタン イブラヒム スタジアムで行われた川崎フロンターレ-ジョホール・ダルル・タクジムの試合は0-0の引き分けでした。4戦目、5戦目の重要性と難易度を上げてしまったという意味で痛い引き分けとなりました。

 

前半は3バックの裏、ウイングバックの裏に走り込んだマルシーニョへのロングボール、相手CBを引き付けたレアンドロダミアンにパス、ダイレクトで左右前後に散らす形でボールを動かしてチャンスを作りました。背後のスペースを徹底して攻撃する事で、連戦で疲弊している相手の体力を奪う、裏のスペースを意識させてディフェンスラインを上げさせない狙いもあったと思います。

 

後半、相手の出足が鈍くなってからは、ボールを敵陣で保持し細かいコンビネーションで攻撃したかったですが、前半同様、相手の背中を狙った攻撃が続き、単調に見えました。相手を押し込んで攻撃できなかったのは、家長の不在が大きかったです。彼がいればボールを落ち着かせ、攻撃のリズムを調節してくれました。サイドのスペースで再三知念がボールを受けるを見て、これが家長だったらなと思いました。

 

最近使い勝手のいい選手になった知念ですが、彼の強みは左右に動きながらのポストプレーペナルティボックスの幅でのフィニッシュワークです。サイドでボールを持たす事では無く、ボックス幅から強烈なシュートを打ってもらう、ボックス内に侵入しサイドからのパスをゴールに押し込ませる形を増やしたかったです。

 

裏への早く、強くの単調な攻撃が続いた為、疲弊しているジョホールの選手はファールをもらいにくるプレーが目立ちました。ファールを受けた後、ゆっくりとプレーし時計の針を進めるプレーが多く、上手く引き分けに持ち込まれました。彼らが強かであり、川崎フロンターレの試合運びの単調さ、選手の個人戦術が不足している事を感じさせる展開でした。相手を見て戦う。良い時に出来ているのですが、この試合のような苦しい展開でこそ、それを実践したかったです。

 

次節は再びジョホールとの対戦ですが、ジョホールは大半の選手が3試合連戦で出場しています。大幅に入れ替えてくるのか、それとも選手を信じてメンバーを固定してくるのか。川崎フロンターレは、軸の選手(チョンソンリョン、山村or佐々木、谷口、山根、橘田)は固定、その他の選手は入れ替えてくると予想しています。首位通過の為には、2連勝がマストとなり、ここからの2試合は本当に難易度の高い戦いになります。勝利以外の結果は求められません。最後に勝ち点3という結果を出せる事を願っています。

 

余談

 

脇坂ですが、14番を背負った選手がベンチスタートという事実だけでもどうかと思いますが、試合でもインパクトを残せない。これで批判されない方がおかしいと思います。14番を付けた以上、これまでと同じ扱いとはなりません。

 

彼(と小林)には、2015年シーズンのホーム湘南ベルマーレ戦の中村憲剛のプレーを見て欲しい。当時深刻な不調が続き、ベンチに座らされる事が増えてきた事に対しての中村の回答が示されています。俺をベンチに置いた事を後悔させてやる、俺の居場所は渡さないという意思が伝わるプレーでした。周囲の目に抗い続け、結果でしか自分の居場所は維持できません。次の試合ではそんな気持ちが伝わるプレーを期待しています。

 

 

2022年シーズン アジアチャンピオンズリーグ グループステージ 第2節 広州FCー川崎フロンターレ 感想

タン スリ ダトー ハジ ハッサン ユヌススタジアムで行われた広州FC-川崎フロンターレの試合は、8-0で川崎フロンターレが勝利しました。この試合で求められた事は蔚山現代戦で長い時間プレーした選手を休養させて、怪我人や余計な累積警告を出さずに勝ち点3を取る事だったので、見事目的を達成できた試合だと言えます。

 

私がこの試合で注目していたのは、今レギュラーで出場している選手を脅かすレベルの熱量を持ってプレーしている選手、結果を出せる選手の有無でした。結論から言いますと、これに該当する選手は一人もいませんでした。昨年のACLでも、力が大きく落ちる北京FCやユナイテッドシティFCを相手に橘田はハットトリック、宮城もゴールとアシストを記録してインパクトを残した結果、中盤~後半戦で出場機会を増やし飛躍しました。この試合でそれを感じさせる選手がいなかった事が残念です。結果だけが次のチャンスへの道になります。

 

言うまでも無く、実力差が大きい試合だったので、この試合で良いパフォーマンスを見せても序列をひっくり返す材料にはなりにくいです。なので、この試合でスタメン出場した選手は良いパフォーマンスでは無く、圧倒的且つ相手に絶望感を与えるレベルのパフォーマンスが必要でした。

 

その観点で見ると、先にも書いた通り、圧倒的なパフォーマンスを見せた選手はいませんでした。唯一それに近い危機感を抱いている事を感じたのはチャナティップだけです。ドリブルで敵陣に強引に持ち込んでの力強い得点シーンでしたが、全く満足した表情、態度を見せず「このくらいやって当然だ」そんな思いを感じました。マルシーニョやシミッチの状態が良く、外国人枠の関係でベンチにも入れない状況に想像以上の危機感を覚えているのではないでしょうか?前所属の北海道コンサドーレ札幌では、余程の事が無ければレギュラーでプレーできました。この試合で助っ人としての自尊心をピッチで示してくれた事には満足しています。厳しい競争が彼をワンランク上の選手に成長させてくれると信じています。

 

小林や知念は2点では「良いパフォーマンス」止まりです。最低ハットトリックバイエルンミュンヘンレバンドフスキの様に4点取るくらいの結果が必要でした。そのくらいやらないとレアンドロダミアンを外す理由にはなりません。車屋に関しては上記の競争とは別のところにいる選手なので対象外。小塚、塚川、宮城、遠野に関しては物足りない。瀬古や松井はなぜここまでチャンスが与えられなかったのかが分かるパフォーマンスでした。この試合の出来の瀬古や松井を使うのなら、30~40%のコンディションでも山根や登里を使うでしょう。脇坂は本当に昨シーズンJリーグベストイレブンの選手なのでしょうか?それだけです。

 

若手の3人(五十嵐、田邉、高井)に関しては、もっと滅茶苦茶にやって欲しかったです。上手な選手なのは分かるので、上手さよりもギラギラしたプレーを見たかった。もっとふてぶてしくサッカーをして欲しい。恐らく6節の広州FC戦で再度出場機会があると思うので、次は名前を覚えてもらえるようなプレーに期待してます。

 

次節は開催国のジョホールとの対戦です。昨日蔚山現代を相手に大きな勝ち点3を勝ち取り、これ以上にない勢いに乗っている状態だと思います。しかしその状態のチームを倒し勝ち点3を獲得する事に意味があります。次節も一戦必勝です。

 

 

 

 

 

2022年シーズン アジアチャンピオンズリーグ グループステージ 第1節 川崎フロンターレー蔚山現代 感想

タン スリ ダトー ハジ ハッサン ユヌススタジアムで行われた川崎フロンターレ-蔚山現代の試合は、1-1の引き分けで終わりました。前半、ディフェンスライン背後のスペースへのロングボールから作られたチャンスから失点し、その後は決定機を作りながらも得点を奪えずにいましたが、ラストワンプレーで相手キーパーのキャッチミスを突いて得点を奪い、何とか勝ち点1を手にしました。似たような終わり方の試合をJリーグで今季2試合見ている気がします。もしかしたら、相手キーパーにミスさせる為の祈祷師でもこっそり雇用しているのかもしれません。

 

失点シーンですが、蔚山現代の狙い通りの形でした。猛暑に加えピッチコンディションが悪かった為、無理にボールを保持せず、川崎フロンターレの選手が狭いスペースに密集してきたところを狙い、高いディフェンスラインの背後をロングパスで攻撃する形がハマりました。VARがあったならば、恐らくレオナルドのハンドを取られましたが、残念ながらグループリーグでVARはありません。ハンドでしたが、谷口と山村の二人で対応してあっさりシュートを打たれたのは問題です。レオナルドのシュートも上手かったですが、川崎フロンターレセンターバックは数的不利の局面で守り切る事が求められます。この場面は無失点で守り切って欲しかったです。

 

後半から、川崎フロンターレは慣れた4-3-3の布陣に変更。中盤の3の並びが左から遠野、シミッチ、橘田でしたが、これがJリーグの試合であれば、シミッチを下げて真ん中に橘田、右に脇坂や小塚を入れていたと思いますが、ACLJリーグの試合では勝つ為に求められる事が異なります。対戦相手のフィジカル能力が高く、Jリーグ基準だとラフなコンタクトが多いACLではJリーグよりもより高さや強さが要求される為、Jリーグの試合で中盤3枚の真ん中でプレーすると敏捷性やスピード、逆足の技術等の弱みが目に付くシミッチも、ACLの試合では高さや強さといった強みの方が目立ち、先に挙げたリスクよりもリターンの方が大きくなります。この試合でもシミッチは、守備で安定をもたらし、58分に逆サイドのマルシーニョに出した正確なロングパスで決定機を作ってくれました。相手の背中を一気に突ける彼のパスは、今後の試合でも大きな武器となります。

 

昨年のベスト16で蔚山現代と対戦した際、怪我人だらけでチームは半壊状態でしたが、その状態でも0-0でPK戦にまで持ち込めたのは、ピッチ中央で相手の攻撃を跳ね返し続け、中長距離の正確なパスで相手を牽制したシミッチがいた事が大きかったです。彼の強みの部分がACLの舞台で勝ち進む鍵になると見ています。

 

個人的に見たい中盤の組み合わせは、左から脇坂、シミッチ、橘田の形です。今の橘田は、昨年田中が担っていた役割を遂行できるだけの力が付きつつあります。どこまでやれるのか見て見たいところです。

 

後半、布陣を変更してからは、相手を押し込みながら相手陣内でプレーする時間を増やす事ができました。蔚山現代が消耗を抑えて引き気味にきた事を差し引いても、アジアトップレベルのチーム相手に主導権を握って試合が出来るようになってきています。5節の再戦時はグループリーグ突破をかけた絶対に負けられない1戦になるでしょう。

 

昨年に続いて、グループリーグの5戦目での直接対決になるので、2~4節は選手の消耗を抑えながら、累積警告で出場停止者を出さない、負傷者を出さない事が求められます。次の広州FC戦は、蔚山戦での消耗を考えると、極端な話スタメン11人全員を入れ替えてしまっても構わないです。3~4節で対戦するジョホールは、昨年対戦したユナイテッドシティよりも力のあるチームなので、昨年程大幅な選手の入れ替えは難しいです。広州FC戦で出場機会の少ない選手が躍動し、監督やコーチ陣にこれからもピッチに送り出したいと思わせてくれる事を期待しています。