2020年シーズン Jリーグ 第26節 川崎フロンターレー北海道コンサドーレ札幌 感想

等々力陸上競技場で行われた川崎フロンターレ北海道コンサドーレ札幌戦は2-0で北海道コンサドーレ札幌が勝利、北海道コンサドーレ札幌相手にリーグ戦の敗戦は何と23年振り、JFL時代に対戦した時以来です。中2日のアウェイ連戦とコンディション面で難しい状況の中、強度の高いマンツーマンのプレッシングで敵陣からボールを奪い続けたサッカーには驚かされました。

 

率直な感想として、今シーズンここまで敗戦した2試合とは全く異なる試合でした。ここまでの2試合は相手の対策が明らかに川崎フロンターレを上回っており完敗でしたがこの試合に関しては、北海道コンサドーレ札幌の対策以上に自分達のプレーのミスが多過ぎました。

 

相手のボールの奪い方が良かった点を差し引いても、球際で簡単に競り負ける、5mのパスを正確に出せない、受けれない、止めれないでは話になりません。戦術云々の前に根本的な部分のプレーの質が酷い出来でした。前半が終わった時点で、チョンソンリョンとジェジエウの素晴らしいプレーで、何とか試合を壊さず体裁を保っている状態であり、鬼木監督からすれば、どの選手も札幌の圧力を真正面で受け過ぎており回避できていない。誰から選手を替えれば良いか悩ましい状況だったと思います。

 

マンツーマンでの守り方ですが、人を基準とするので必ず動けば場所が空きます。中村や大島、登里は相手がどこまで付いてくるか、どこの場所に立てば相手が混乱して圧力を回避できるか「駆け引き」をして、相手を外すのが上手いです。このプレーがこの試合の脇坂や旗手には足りませんでした。試合後の登里のコメントをよく読んで、必要であれば本人から教えてもらって、改善してもらいたいです。

 

この試合で最も痛恨だったのが、先制点を取られた直後に追加点を奪われてしまった事です。1点奪われた時点で、中村と登里を投入して同点、逆転を狙う目論見が崩れました。この二人を投入してからは、敵陣で押し込みながらプレー出来るようになり、決定機を作れるようになっただけに、非常に痛い追加点でした。

 

この試合で気になった選手が二人います。

 

一人目が前半で替えられた脇坂。彼のプレーは良くなかったですが、今後の事を考えるともう少し我慢してプレーさせた方が良かったのではと思います。悪ければ即前半で替えられる事が続くと、脇坂も90分を通してのプレーの計算を立て難く成長速度が上がりません。どうも鬼木監督は他の選手以上に脇坂に厳しい対応をするように見えます。個人的に14番を引き継ぐのは彼だと思っているので、この試練に打ち勝って欲しいです。

 

二人目が車屋。本職(と思われる)左サイドバックでプレーすると雑なプレーが目立つのですが、センターバックでプレーすると、積極的にドリブルでボールを運ぶプレー、正確なロングフィードと良いプレーをします。左サイドバックでのプレーは、競争相手の登里が素晴らし過ぎて、彼のプレーの粗が目立つのもあるのですが、ウイングの選手と連携が取れない、敵陣で足と頭をお休みしてしまうプレーが多いのは、昨年と変わりません。現状彼の立ち位置はセンターバックの3~4番手で、左サイドバックもそれなりに出来るレベルなのでベンチ外は無い状況です。これで良いのでしょうか?今一番難しい立ち位置にいる選手だと思います。

 

結果内容ともに散々な試合で、現地で見ていてとにかく不快な試合でしたが、一つだけ良かった事あります。それは中村の力を借りて勝てなかった事です。中村に問題を解決してもらって勝っても成長に繋がりません。

 

この試合が一発勝負の天皇杯で無くて良かったと強く思います。この試合の強度でスムーズにプレー出来ないようだと、この後の鹿島アントラーズ横浜Fマリノスガンバ大阪に勝つ事など到底できません。天皇杯の決勝でセレッソ大阪名古屋グランパスFC東京と対戦しても同じでしょう。次節のアウェイ鹿島アントラーズ戦まで、中10日あります。この試合で強い川崎フロンターレを見せてくれると信じています。