2021年シーズン Jリーグ 第30節 川崎フロンターレー湘南ベルマーレ 感想

等々力陸上競技場で行われた川崎フロンターレ-湘南ベルマーレの試合は2-1で川崎フロンターレが勝利。後半アディショナルタイムに家長のクロスボールを知念が頭で押し込み、所謂等々力劇場な試合でした。約4カ月振りのリーグ戦ホームゲームを劇的な形で勝利し勝ち点3を勝ち取りました。

 

試合前は4-3-3の布陣が予想されましたが、いざ試合が始まると4-4-2の布陣でした。ボール非保持時はFWの小林と知念は縦に並び(最前線に小林、後ろに知念)、中盤は左から宮城、谷口、脇坂、遠野の並びでスタートしました。サイドハーフの宮城のドリブルや遠野の裏のスペースへのランニングで、相手のWBを押し込んでスペースを作り右は脇坂、山根からのクロスボール、左は旗手が中のスペースに入っての攻撃をしたかった様に見えましたが、蓄積された疲労の影響かパススピードが遅く、加えて久しぶりのセンターハーフでの起用となった谷口のポジショニングが悪く、逆に湘南ベルマーレのWB、インサイドハーフ、FWに囲まれ、ボールを失う場面が多かったです。前半だけで湘南ベルマーレに決定機が3回はあり、もう1点決められていたら試合が終わっていました。試合を振り返ると、前半を1点で終えられたのが大きかったです。

 

後半開始から、布陣をいつもの4-3-3に戻し、左SBに登里、アンカーに橘田、左インサイドハーフに旗手、左WGにマルシーニョに変更。マルシーニョが左サイドからドリブルで押し込み、登里と橘田からボールを動かせるようになり、徐々に相手陣内でプレーできる時間が長くなりましたが決定的な形は少なく決め手に欠いていました。その後の家長の途中出場が大きかったです。決勝点のアシストのみならず、同点ゴールのシーンも良い位置取りで相手の選手のポジションを下げ、空いたスペースに山根が入って旗手のゴールをアシストする形でした。ベンチから戦況を分析し的確な動きで湘南ベルマーレの守備ブロックを崩してくれました。

 

最後の交代でジェジエウを入れた際は、最悪引き分けで勝ち点7差を維持する為の交代だと見ていましたが、試合後のコメントを読むと山村の足が痙攣した事による交代でした。山村の交代が無ければ、レアンドロダミアンを入れ更に高さで攻撃する流れが続いたと思います。結果的に残った知念が決勝点を決めたのだから、勝負の神様も鬼木監督に味方したという事です。前半を1点で凌ぎ、後半は選手交代と布陣を変える事で少しずつ流れを取り戻し、同点、逆転とした鬼木監督の采配は素晴らしかったです。監督の采配で取った勝ち点3と言ってもおかしくは無いですね。

 

次節は中2日でヴィッセル神戸との対戦です。ホームで試合が出来るのは良いですが、相手は中4日なので、コンディションに差ある状況での試合となります。また湘南ベルマーレとは異なり、前線に強力な選手がいるので先制されるとそのまま畳みかけられる可能性が高いです。立ち上がりは上手くいかなくても、傷口を最小限に止め、少しずつ流れを取り戻しながら最終的には勝ち点3を取る。今の川崎フロンターレに相手を圧倒する前半戦の様なサッカーは出来ませんが、鬼木監督就任後チームに根付いた我慢強く戦うサッカーで勝ち点は取れると思います。次節も楽しみです。