2020年シーズン Jリーグ 第31節 清水エスパルスー川崎フロンターレ 感想

IAIスタジアム日本平で行われた清水エスパルス川崎フロンターレ戦は、2-2の引き分け。優勝決定後の初陣は清水エスパルスにリードされる時間が長い苦しい試合でしたがボールを保持して、相手を動かし脚を奪った事が試合後半に生きて引き分けに持ち込む事ができました。

 

清水エスパルスは、大分トリニータと似た構造の守り方で、センターバック2枚にボールを持たせ、サイドのスペースを消しながら中央にパスを誘導、枚数が少ない中央の部分でボールを奪う意図が見えた。この形でチャンスを作られる場面が多く、対策として効果的に見えました。今後は他のチームも川崎フロンターレ対策として実践してくる可能性は高いです。

 

前回対戦した時よりも、どの位置でどの様なプレーの選択をするのか、チーム全体に攻守の意図が明確に見えるようになっていましたが、大分トリニータ程は対策は徹底されては無く、鹿島アントラーズ横浜Fマリノス程プレーの強度も高くはありませんでした。センターバック横のスペースが空いている事が多く、揺さぶりに弱い部分もあったので、大分トリニータ戦の様に全く決定機が作れない状況では無かったです。

 

今日の試合では、最終ラインから精度の高いロングパスを出せる山村が良いプレーを見せてくれた事で対応できた面もありました。パスやドリブルでボールを運ぶ技術は川崎フロンターレセンターバックで最も彼が上手いです。次節は登里も車屋も負傷で不在の可能性が高い為、谷口を左サイドバック、ジェジエウと山村をセンターバックの組み合わせも見てみたいですね。

 

考えさせられたのは、登里が負傷退場後、旗手を77分まで左サイドバックで起用した事です。不慣れなポジションでこの時間までサイドバックでプレーさせたのか?本職では無いがプロの試合でプレー経験がある、守田や谷口の方がスムーズにプレーできたのではと考えました。

 

それ以前に今日は無理をする試合ではありませんでした。既に優勝を決め、次の目標は天皇杯です。試合前のアップで痛めたとの事で見えない事情や考えはあるとは思いますが、痛みがあった時点で無理にプレーさせる必要はありません。負傷してしまった今は、この影響があまり出ない事を願うだけです。

 

試合の問題点ですが、中村と田中のコメントを読むと選手達は理解していると思います。次節はアウェイでサガン鳥栖戦。アウェイの鳥栖戦は苦戦している印象があります。今日の様な試合をしては天皇杯は勝ち取れませんが、課題が出て負けずに勝ち点1を取れた事は前向きに捉える事もできます。次節も楽しみです。

 

最後に、清水エスパルスJリーグ初「ガード・オブ・オナー」には感動しました。この様な振る舞いがスポーツの価値を高め、投資や支援、協賛の対象として社会に認知されていくものだと思います。素晴らしい振る舞いに敬意を表したいです。