2021年シーズン Jリーグ 第8節 川崎フロンターレーサガン鳥栖 感想

等々力陸上競技場で行われた川崎フロンターレサガン鳥栖の試合は、1-0で川崎フロンターレが勝利、2016年4月に大久保嘉人の劇的なゴールで勝利して以来の等々力でのサガン鳥栖戦の勝利となりました。

 

好調のサガン鳥栖は、ボールの保持、非保持、ボールの位置に合わせて、細かく選手の立ち位置、布陣を変えていたので、見ていて今どんな形で、誰がどこにいるのか?と考える時間が長く、どんな狙いをもってやっているのか、興味深いサッカーでした。前半、ボランチの島川の負傷交代、後半は、センターバックの田代が退場した事で、多くの修正を迫られたが最後までプレーの質を維持していたと思います。

 

川崎フロンターレは、前半は敵陣でのプレッシングを行いながら、相手の出方を観察しながらプレーし、鳥栖の選手の立ち位置、動き方を把握し、立ち位置、布陣を変える事で空いてくるスペースと、切り替え時に強度の高いプレッシングを行う事で、前半以上に決定機を作り、ゴールを奪いました。中3日の試合が続いている事もありますが、相手の出方を見ながら、要所で強度を上げてゴールを奪いに行くポイントをチーム全体で共有し、効果的な攻撃を行っていたのは流石です。

 

後半は決定機が増えた反面、ペナルティエリア内の仕上げのプレーが嚙み合わない場面が多く、追加点を奪ってより試合を楽に進める事はできませんでしたが、サガン鳥栖の攻撃の強度、ボールをキープして時間を進められる家長、知念がベンチにいる事を考えれば、1点あれば勝ち点3を取るには十分でした。ペナルティエリア内や近辺でスピードのある攻撃するのもいいのですが、少し丁寧にプレーする意識があれば、もう1~2点は取れたかもしれません。より楽に勝つためにも、追加点を取れるところで確実に取りたいですね。

 

緊張感の強い試合であり、サガン鳥栖の緻密なサッカーは興味深い内容でしたが、「怖い」チームでは無かった印象を持ちました。前節の大分トリニータもそうですが、内容ほど決定機は無く、点を取られるという怖さは少なかったです。この試合では、本来スタメンで出場している林や山下がベンチスタートだったので、前半から出場していれば、違ったのかもしれませんが。

 

試合全体を見ても、ゴールを奪われそうな場面は殆ど無く、スコアこそ1-0ですが、未然に相手の攻撃を摘み続けた川崎フロンターレの強さが際立った様に思えます。試合を通して分かりやすく圧倒しなくても、要所を抑えて最終的に勝ち点3を取る。チームが成熟しつつあると感じた勝利でしたね。

 

次節は、アウェイで多摩川クラシコFC東京戦。FC東京川崎フロンターレも退場者や負傷者が出て、少し入れ替わったメンバーでの対戦になりそうです。力のあるFC東京を相手に、大分トリニータサガン鳥栖相手に見せた横綱相撲をこの試合でも披露してくれるのか、注目しています。