2020年シーズン Jリーグ 第28節 大分トリニーター川崎フロンターレ 感想

昭和電工ドーム大分で行われた大分トリニータ川崎フロンターレ戦は、1-0で大分トリニータが勝利。横浜Fマリノスとの激闘後、中2日でこの試合に臨んだ川崎フロンターレ柏レイソルとの試合がコロナウイルスにより延期になり、中17日の準備期間があった大分トリニータ、コンディション面でも戦術的な準備という面でも大分トリニータの完勝でした。

 

前半から、大分トリニータのマークを剥がせない状況が続きましたが、家長が不在が痛恨だった。相手のマークを剥がせない状況になると、彼の最大の長所であるボールをキープする能力が生きてくる。ボールをキープしマークを引き付け、味方のマークを剥がし、相手を引き付ける事で場所を作るプレーは不可欠だった。

 

今シーズン、同様の状況に陥った事は何度もあったが、その度状況を打破したのは家長のボールを保持する力だった。得点に直結するプレーでは無いので軽視されがちだが、このプレーがないとボールを前に良い形で運べなくなってしまう。彼の能力への依存を少なくする形を構築する事も課題の一つです。

 

後半からは、4-1-2-2に布陣を変更し、大分の中央の攻撃する場所を塞ぎ、サイドからの攻撃に限定させた。従来の川崎フロンターレであれば、前節の横浜Fマリノスの様に、オープンな展開に持ち込もうとしたが、今回は慎重な選択に見えた。オープンな展開にして、早い時間に2点目を失ってしまうと試合が終わってしまうと判断したからだろう。レアンドロダミアンの投入を80分前後まで引っ張ったのも、それが原因と考えている。見ている側の想像以上に選手のコンディションは満身創痍の状態なのかもしれない。

 

ホームFC東京戦辺りから苦戦する姿が目立ちますが、これは本来であればシーズン序盤に向き合わなければならなかった課題が後回しになり、現在表面化しているという事です。鬼木監督もそれを分かっているのか、アンカーの両脇を使われる、自陣でマンマークを付けられる状況になっても、中盤3枚の形は変えていません。布陣を4-2-3-1に変更すれば、ある程度は解決できる問題ですが、来期以降に4-3-3の布陣をより機能させる為に、先を見据えこの布陣での守り方、ボールの運び方を試しているのだと思います。

 

次はホームでガンバ大阪戦。キャプテンの谷口は出場停止で、連戦が続いている選手もいますが、ホームで自力で優勝を決めるチャンスです。ここで踏ん張れるところが、2020年の川崎フロンターレの強さだと思っています。もう一度地力の強さを見せてもらいましょう。次の試合も楽しみです。