2021年シーズン 天皇杯 準決勝 川崎フロンターレー大分トリニータ 感想

等々力陸上競技場で行われた川崎フロンターレ-大分トリニータの試合は1-1で決着がつかず、PK戦の末、5-4で大分トリニータが勝利。川崎フロンターレは今シーズンのカップ戦を全て公式記録上は引き分けにて敗退。過去前例の無い珍記録を打ち立てて2021年シーズンを終えました。

 

サイドのスペースは捨て、中央に人の並びを圧縮した4-4-2の形でクラブマスコットのニータン君を彷彿させる亀のような堅守と川崎フロンターレの攻撃力のどちらが勝つのか我慢比べの120分間でした。延長後半に何とか亀の堅守を破ったが、途中交代で入った遠野が負傷し、10人になったところで意思統一が取れずに失点。PK戦に持ち込まれました。PK戦に入ってしまえば、勝敗はどちらにも転がります。それが今回は大分トリニータに転がりました。

 

意思統一が取れずに同点に追いつかれる。今シーズン、少なく見積もって3回は見た光景です。リーグ戦のアウェイヴィッセル神戸戦、ホームベガルタ仙台戦、そしてルヴァンカップ準々決勝2ndlegの浦和レッズ戦。何れも先手を取りながら、試合終了間際に失点し勝ち点や次のラウンドに進む権利を失いました。率直に言って、何度同じ事をやっているのか?というのが正直なところです。鬼木監督は選手の奮闘を讃えていましたが文字通りに受け取れません。

 

この試合を含め4度同じ形で失点しました。4度も同じ間違いをするチームに複数のタイトルを獲る資格はありません。カップ戦の戦い方としては王道の、最後の最後まで相手の嫌がる事をやり抜いた大分トリニータこそ、この試合の勝者として相応しかったです。

 

自陣で我慢して試合をクローズできないのであれば、追加点を奪うか、もしくは相手陣内でボールを保持して時計の針を進めるかのどちらかになります。2022年は同様の状況に立たされた際、2021年の失敗を糧に出来たと言えるよう準備をして欲しいものです。良く選手や監督が良い準備が出来たとコメントするのを目にしますが、結果が出て初めて良い準備と言えます。最後の数試合で2022年への宿題が課せられました。オフに良い準備が出来る事を願っています。川崎フロンターレの選手、監督、スタッフ、関係者の皆様、2021年お疲れ様でした。また来年元気にお会いしましょう。

 

余談(大した事は書いていないので、余程暇な方以外はここで終わりにしてください)

 

 

 

 

 

試合終了後、選手が競技場を一周する姿を見て何人か泣いている選手がいてとても残念、正直失望した。

 

これまで何度もタイトルを目前に手が届かなかった時、谷口や小林、もっと言えば中村憲剛がそんな振る舞いをしていただろうか?涙を流したくても、悔しさをこらえ、前を向いていて周囲の目と向き合っていた。個人的な感覚だが、これがプロとして相応しい姿だと思う。涙を流すほど感情を爆発させるのは勝った時だけいい。だからこそ美しい。

 

脇坂は、この試合最後まで交代させられなかった事から、年間を通して自分のプレーを改善しついに序列を一番高い所まで上げた。この試合のMVPだと言ってあげたがったが、正直試合終了後の振る舞いでガックリ来た。あれだけのプレーを披露できたのだから勝っても負けても堂々と振る舞って欲しい。もうプレーに関しては問題ないが、振る舞いに関してはまだ足りないところがある。谷口や小林はもっと口うるさく言って欲しい。振る舞いに関して指導する事も先輩として、いやタイトルを獲れず、敗北者扱いされていた時代を乗り越えた者の責務であると思う。谷口には某番組で家長に暴露された「オヤジ狩り」するくらいの態度で指導して欲しい。

 

旗手に関しては、五輪から戻ってきてからはチームの利益より自分の利益を追及したプレーが目立った。欧州に移籍する為にアピールの意識が高まった事による影響だと思う。しかし欧州のトップレベルのチームはそのような利己的な振る舞いを好まない。マンチェスターシティにもリバプールにもチェルシーにもレアルマドリードにもバイエルンにもユベントスにもそんな選手は一人もいない。いたとしても淘汰されて居場所を失う。

 

一番気になるのは、試合中、試合後の彼の振る舞いが、あまりにも感情的で、三笘や田中と比較すると「幼い」と感じる。プレーの質が安定しない事と無関係ではないと考えている。一人でチームを勝たせる力で言えば、先述の二人には遠く及ばない。これまた某番組の話だが、小林が彼に送ったメッセージの意味を全く理解できていないと思う。半分は彼を気遣う内容だが、もう半分は彼の振る舞いに対しての小林からの苦言であると解釈している。

 

周りの選手ももう移籍するだろうから、あまり煩く言う気も無いんだろう。良い選手であり、ポテンシャルも素晴らしい物を持っている選手だとは思うが三笘や田中ほど圧倒的な質を感じないのも事実。タイトル獲得に大きく貢献してくれた事には感謝している。

 

やたら選手を称える事が多かった事に対しての個人的な違和感です。敗者には敗者の振る舞いがある。最近は嬉しい事にタイトルを手にする事が多くなった為、そういった振る舞いが下の世代に対して伝わっていないのかもしれません。私は老害なので、そんな事が気になりました。