2021年シーズン Jリーグ 第16節 湘南ベルマーレー川崎フロンターレ 感想

レモンガススタジアム平塚で行われた湘南ベルマーレ川崎フロンターレの試合は、

1-1の引き分け。勝ち点2を取り逃した試合というよりも、勝ち点1を何とか拾った試合でした。今シーズンのここまでの引き分け3試合は、先手を取り、勝ち点を「落とした」試合だったので、これまでの引き分けの試合とは意味合いが違うものとなります。

 

試合全体で気になったのが、選手の組み合わせと戦い方でミスマッチがあり、それが苦戦の要因となったのではないか?という事です。前線の3枚が、小林、長谷川、遠野の組み合わせだと、前線でボールを収めて時間を作る選手がいない為、インサイドハーフの二人(この試合だと脇坂と田中)が、相手の裏のスペースに走り、重心を後ろに下げてスペースを作れず、攻撃する場所を作れずに苦しみました。

 

この組み合わせだと、アウェイ浦和レッズ戦やベガルタ仙台戦の様に相手にボールを持たせ、自陣の高い位置でのプレッシングでボールを奪い、一気にゴールまでボールを運んで攻撃する形の方が機能すると思います。彼らのパフォーマンスは良かったとは言えませんが、選手の組み合わせと戦い方、湘南ベルマーレの対策で、彼らの持ち味が出なかった事も大きいです。この中に三笘、レアンドロダミアン、家長の一人でもいれば、もしくはフィジカルコンタクトに強く、体の強さで時間と場所をつくれる知念や旗手がいれば、違った戦い方ができたと思います。前線の選手の組み合わせと戦い方に関しては、ACLを見据えてもう一度再考する必要がありそうです。

 

前線の組み合わせが上手くいかなかった事に加え、セカンドボールを奪う局面で、後手を踏む場面が多く、相手陣内では押し込めきれず、自陣では相手の攻撃を受ける要因となりました。データを見ると、チームの走行距離で約5㎞、スプリント本数で28本、湘南ベルマーレが上回っており、スプリント数と走行距離を見ても、両チームのコンディションに差があったと思います。

 

休まず出場している、田中や山根も今日は体が重く、精彩を欠いており、コンディションの良い選手を使った方がいいという声もありますが、鬼木監督を中心とした首脳陣の判断はコンディションが悪い田中や山根の方が良いプレーが出来るとの判断です。前にも書きましたが、チャンスを与えない首脳陣よりも、評価を覆せない選手の力不足だと思います。

 

選手個人に言及すると、脇坂ですが、この試合のプレーだと大島が復帰したらベンチ外です。ベンチ外の選手に14番は渡せません。この試合の様な、上手くいかない試合を自分のプレーでどうにかしてきたのが中村憲剛です。痛くても苦しくても、もがいて彼は結果を残し続けてきました。私は大島にチームを勝たせろと言い続けていますが、脇坂にはそこまで求めていません。なぜなら、まだその格の選手では無いからです。いつか彼に14番を付けて欲しいと思いますが、現時点の評価はそうなります。それを覆すプレーを次節は期待しています。

 

次節はホームで鹿島アントラーズ戦。川崎フロンターレは少なくない縁がある相馬直樹氏が監督として等々力に帰ってきます。相馬監督が就任されてから、鹿島アントラーズは好調を維持しており難しい試合になりそうです。ACL前のリーグ戦最後のホームゲームなので、天皇杯2回戦を除けばしばらく等々力で試合をするのは先(9月上旬)となります。湘南戦の結果、内容を踏まえて、どのように戦うのかを楽しみにしています。