2021年シーズン Jリーグ 第25節 サンフレッチェ広島ー川崎フロンターレ 感想

エディオンスタジアム広島で行われたサンフレッチェ広島-川崎フロンターレの試合は、1-1の引き分け。昨年12月以来の2試合連続の引き分けとなりました。前半はサンフレッチェ広島の前からの守備に苦しみ良い部分が全くありませんでしたが、後半は人と配置を変えて一方的に押し込む展開となりました。

 

前半はインサイドハーフの旗手、脇坂が相手のマークを外せず、ビルドアップの局面で効果的に関与できませんでした。この結果サイドの場所を埋められている部分から、苦し紛れに運ぶしか無くなり、前半はサンフレッチェ広島の想定通りの試合となりました。

 

後半開始から宮城を入れ、旗手を右ウイング、家長をインサイドハーフ(実質トップ下)に入れ替えると、相手がボールを奪う位置を下げた影響もありますが、家長が中央でボールを受け、相手を引き付けて、他の選手に時間を作る事でマークを外せるようになり、後半は一方的に押し込み、前線からのプレッシングも機能するようになりました。同点の場面は、橘田のロングフィードの精度、何より遠くをしっかり見えていた事が素晴らしかったです。

 

中2日、豪雨に強風の悪天候、相手は中11日という条件を考えれば、この試合で勝ち点1を取れた事は上出来です。後半、選手のポジションを変え、対応できた事は前節の柏戦から一歩前進と見ています。あとはセットプレーの攻撃、ここで脅威を与えられないと、コーナーに逃げれば大丈夫だと割り切って守られてしまいます。過密日程で改善の時間を十分に取れないのが苦しいですが何とかしたい。

 

次節はアウェイでアビスパ福岡との対戦です。2006年を最後に勝てていない博多の森での試合となります。ここが踏ん張りどころです。誰がチームを勝たせるのか、ヒーローになるのか、楽しみにしています。

 

余談①

負けるとすればこの試合が一番可能性が高いと思っていました。なぜか?あの24時間テレビの日だからですよ。先制された瞬間、昨シーズンのアウェイ名古屋グランパス戦を思い出し、今年も駄目かもなと見ていました。この勝ち点1がチームが土壇場に立たされた時、助けとなる1になってくれる事を願っています。

 

余談②

脇坂ですが、サンフレッチェ広島戦の様に、守備の強度が高く、苦しい試合になると存在が消えてしまいます。考えたのは、今彼にチームで耳の痛い事を言ってくれる選手がいるのかな?という事

 

中村憲剛ジュニーニョ大島僚太大久保嘉人とプレーでも口でも厳しく耳の痛い事を要求してくるFWによって育てられ、成長し不可欠な存在となりました。日常的にに厳しい要求をする選手がいないから、苦しい展開になると存在が希薄になり消えてしまう。そんな事を考えました。

 

彼に耳の痛い事を言うのは、立場的には小林になると思いますし、出来るのは彼だと思っていますが、彼は先述のジュニーニョや大久保と違い、常時レギュラーで出場している状況ではありません。レアンドロダミアンは厳しい要求をするよりも、俺が何とかしてるから大丈夫だ。気にするなとジュニーニョや大久保とは異なった気質の選手だと見ています(俺にパス出さないとxxするぞ、ピッチから出ていけ、引退しろ等、今ピンク色のユニフォームを着ている誰かさんみたいな事は言わないでしょう)。助言や気遣いはあっても耳の痛い事を言ってくれる可能性は低いと思います。これは登里や家長や谷口も同様です。チームで「嫌われ役」になれる選手が小林しかいません。

 

脇坂に求められるのは、中村や大島の様な「苦しい時になんとかしてくれる」事であり、具体的に言うとコーナーキックフリーキックでゴールやアシストを量産する事です。ビルドアップの局面で消されても、セットプレーの場面で決定的な働きをしてチームを勝たせる。セットプレーの局面で結果を残し、チームを勝利に導いて欲しい。これからも彼に注目して見ています。