2020年シーズン 天皇杯 準決勝 川崎フロンターレーブラウブリッツ秋田 感想

等々力陸上競技場で行われた川崎フロンターレブラウブリッツ秋田戦は、2-0で川崎フロンターレが勝利。後ろに重心と人数をかけ、ペナルティエリアの幅を塞いできたブラウブリッツ秋田の守備に攻めあぐねる時間帯もありましたが、先制点を奪ってからは、危なげ無く試合を進め勝利。4シーズン振りの決勝進出を決めました。

 

ブラウブリッツ秋田も粘り強く、狭く守り、川崎フロンターレの後ろのスペースを狙う攻撃を試みましたが、やはりJ1とJ3の差は大きく、プレースピードの違いが顕著に現れました。ブラウブリッツ秋田に荒いプレーがありましたが、ラフに当たっているのでは無く、スピードに差があるので遅れて当たり、荒く見えます。なので、特段ブラウブリッツ秋田のプレーが荒いとは思いません。

 

基本的な部分に差がある為、川崎フロンターレは先制点を奪ってからは無理に試合のテンポを上げずに試合を進めました。テンポを下げて負荷を落とし、イエローカードや負傷のリスクを下げる事が狙いです。狙い通り先述のリスクを押させて試合を終えました。

 

前回決勝進出時は、準決勝の大宮アルディージャ戦で苦戦した事で消耗し、エドゥアルド・ネットがイエローカードを受け累積警告で決勝戦に出場する事ができませんでした。鹿島アントラーズに勝てなかった一因としてフィジカルコンタクトに強く、精度の高いロングパスを出せるネットの不在は大きかったと思っていました。その意味で、怪我人を出さず、余計なカードを受けずに淡々と勝利で試合を終えた部分にチームとしての成長を感じます。

 

勝戦の相手はガンバ大阪。11月に等々力で5-0で敗れている為、次は入念な対策を施して挑んでくるでしょう。11月の試合では、ボールを奪う位置を下げ、川崎フロンターレの後ろのスペースを狙うプランを試みましたが中2日での試合だった事もあり上手くいきませんでした。

 

後ろの守備強度の高さとパトリックのフィジカルを生かした形で来るのか、それとも清水エスパルスサガン鳥栖の様にマンツーマンで相手に付いて、中央に誘導しボールを奪う形で来るのか。ボールを持たせられたらガンバ大阪ペース、ボールを「取り上げる」事が出来れば川崎フロンターレペースの試合になると思います。先手を取れればガンバ大阪にボールを「押し付けて」も面白いかもしれません。今から試合が楽しみです。