2022年シーズン Jリーグ 第17節 川崎フロンターレ-北海道コンサドーレ札幌戦、第18節 ジュビロ磐田戦 天皇杯3回戦 東京ヴェルディ戦 感想

コンサドーレ札幌戦、先行入場で入場し、しろくま味のフロンチーノを堪能しながらこの試合のスタメンとベンチメンバーを確認する。

 

スタメンを見た時にパッと布陣がイメージできなかった。3バックでいくのか、それとも橘田を左サイドバックで使うのか?現実には後者だった。

 

大島をアンカーで起用したのは、中断前の数試合で露呈した中央からハーフウェーラインを超えるスピードが遅い事の改善の狙い。チャナティップを左ウイングで起用したのは、センターラインを超えた後のボールのレシーバーとしての役割を期待していたと思われる。

 

この二人を同時に起用すると、前線から中盤の守備強度が落ち、ボールを奪う力が落ちる、ボールを奪い返す位置が低くなるといったデメリットがあるが、それを承知で起用したと思う。そうでもしないとボールを運べないし保持できない。

 

この二人が不在で戦った天皇杯東京ヴェルディ戦。現在のJ2の順位以上の力を持つ対戦相手だったので、東京ヴェルディのパフォーマンスが良かったのもあるが、彼らに変わって出場した選手はボールを受けれない、運べない、相手のマークを外せない。川崎フロンターレの「フリーの定義」を理解しているのか?疑わしいプレーだった。この惨状を目にして、大島チャナティップ同時起用は奇策では無く、現状のチームの問題点に対する(正否は別として)回答である事を確信した。守備の問題を受け入れた上で鬼木監督が考え抜いての決断だったのだろう。

 

チャナティップは、依然として守備面ではリスクが大きい選手だが、それでも負傷離脱前と比べるとボールを奪う動きの強度と精度は向上しており、何より立ち位置を意識してプレーしているのが良く見える様になった。出場した札幌戦と磐田戦では大外のレーンに立ち位置を取り、サイドバックの橘田を内側のレーンに入れ、アンカーの大島、インサイドハーフの遠野の連動して素早くボールを運ぶ場面が増えた。何より、相手のマークを外し、ボールを受ける事を恐れない自信に満ち溢れたプレーは見ていて心強い。後はゴールやアシストと言った結果が必要。磐田戦では試合を決める絶好の決定機を逃したが、今度は決めて欲しい。名実共に東南アジア最高の選手が何も出来ないまま終わるわけが無い。そのプライドをプレーで示して欲しい。

 

登里が戻ってくれば、インサイドハーフのポジションで橘田を起用し、守備の強度とペナルティボックスに進入する回数を増やせると予想している。家長が頻繁に中央や逆サイドに「出張」してくるのは、ボールを運べない事が主な要因。これが効果的な場面もあるが、ポジションチェンジで彼の持ち場ががら空きになるデメリットもある(このカバーで攻撃センスを生かせず割を食っているのは脇坂)。これもボールを運ぶプレーの質が改善されてくると同時に減少してくるだろう。家長には攻撃の最終局面でゴールやアシストでもっと自分の力を発揮して欲しい。今はチームの問題解決に手を取られれている様に見える。

 

分かり易い弱点を抱えながらの戦いが続くが、少なくともチームは変わろうともがいているのが分かる。勝ち点を積み重ねるペースが鈍くなる可能性もあるが、まだギリギリ試行錯誤が許させる時期と見ている。今シーズンがどんな結末に終わるかは分からないが、この試みの過程を興味深く楽しみたい。

 

とは言え、次節は好調でホームで1-4と大敗したセレッソ大阪、その次は中3日でこれまた好調で、いつも等々力では苦しめられるサガン鳥栖、締めは中2日でガンバ大阪。胃が痛くなる3連戦だ。ため息しかでないし今から不安で仕方無い。

 

急かすつもりはございませんが、現場監督様の早期の復帰を毎日祈っております。マジであなたのコーチングとゲームメイクが必要です。