2022年シーズン Jリーグ 第6節 川崎フロンターレーセレッソ大阪 感想

等々力陸上競技場で行われた川崎フロンターレセレッソ大阪の試合は、4-1でセレッソ大阪が勝利しました。ホームゲームで4失点したのは、2019年シーズンのホーム最終節、横浜Fマリノス戦以来となります。25試合続いていたホームゲーム無敗記録も止まりました。

 

この試合の川フロンターレの選手で、プロサッカー選手だったのはチョンソンリョンとマルシーニョの二人だけです。杜撰なディフェンスから打たれるシュートを何本もセーブしたチョンソンリョン、何度もドリブルで果敢に挑戦し一矢報いたゴールを決めたマルシーニョの二人だけがチケット代に相応しい選手でした。

 

その他の選手は、某バラエティ番組の表現を借りると「そっくりさん」か「写す価値無し」のどれかでした。きっと本物の谷口はドラマか写真集のロケにでも行っていたのかもしれませんし、今日ピッチに立っていた橘田は彼のそっくりさんの営業マンだったのかもしれません。対戦相手のセレッソ大阪の選手は皆プロサッカー選手だったので、こちらのプロが二人だけでは勝負になりません。そう考えればこの結果は極めて妥当です。

 

スタンドからこの試合を見ていてずっとイライラしていたのですが、それは選手が目の前の対戦相手と闘っていなかったからです。闘う事よりチームの約束事をこなす、要領よくサッカーをする事。そちらに意識がいっているように見えました。

 

日本代表の守田や田中は相手を見てサッカーをすると発言していますが、この試合の川フロンターレの選手は相手を全く見ていませんでした。論ずるに値しない。残念ですがそんな試合です。

 

後半開始から投入された4人に関しても、求められていたゴールやアシストと言った具体的な結果を残せませんでした。彼らに関しても、もう良いプレーをすれば評価される段階ではありません。残念ですが、監督やコーチ達に次節スタメンで使いたくなるインパクトは残せなかったように見えます。この試合の様な状況こそ序列をひっくり返す最大のチャンスだと思うのですが。

 

谷口や山根のコンディションですが、率直に言って代表選手であれば過密日程は当たり前です。世界中のどの選手も経験している事なので、それは悪いプレーをする理由にはなりません。コンディションの悪い彼らが使われる理由は、他の選手がそれ以下だからです。使わない監督よりも使いたいと思う水準に届いていない選手の方が問題だと考えています。

 

次節はアウェイでジュビロ磐田との試合です。この敗戦からの準備期間は3日間。鬼木監督がどの様なアプローチをこの期間で行うのかを注目しています。メンバーを変えずに信頼を示すのか、それともここまでチームの基準や他の選手のパフォーマンスとの関係でスタメンやベンチに入れなかった選手を抜擢するのか、次節の試合内容でまた考えたいと思います。

 

余談

 

この試合でピッチに立った選手で最も素晴らしかったのは、セレッソ大阪の乾でした。前線の二人を巧みに動かしつつ、自らも的確にコースを消し、川崎フロンターレの配球の選択肢を奪うプレーは強度じゃなくて頭を使ってサッカーをするんだよというメッセージでした。

 

一般的なイメージだと、野洲高校の頃から華麗なドリブラーを言う印象が強い選手ですが、個人的には高いボールスキルと相手の選択肢を巧みに奪う守備を実現する戦術眼を併せ持った稀有な選手という認識です。彼もまたチケット代に相応しい選手でした。セレッソ大阪の若い選手は、欧州の第一線で長く活躍した彼から多くの事を学んで欲しいですね。