2021年シーズン 天皇杯 ベスト16 川崎フロンターレー清水エスパルス 感想

IAIスタジアム日本平で行われた川崎フロンターレ-清水エスパルス戦は、2-1で川崎フロンターレが勝利。10月に行われるベスト8の試合に歩を進めました。2回戦、3回戦とPK戦まで持ち込まれとても消耗が激しい試合だったので、90分で勝てた事が大きかったです。

 

この試合で印象に残ったのは山村。清水エスパルスの前線の守備の圧力が弱かったのもありましたが、相手最終ライン裏のスペースへの正確なフィード、低く速いグラウンダーの楔のパスとボールを運ぶ能力の高さ、サイドにボールを動かした後のフォローの立ち位置を含め、彼のビルドアップに関わる技術の高さを存分に見せてくれました。後半開始直後に逆足で宮城に出したロングフィードは、オフサイドになりましたが、そこまで見えていて正確に出せるのかと思わされました。

 

ここ数試合は、アンカーのポジションのシミッチにマンマークを付けられ、センターバックからの中盤、前線への配球が上手く進まない場面が多いので、彼のビルドアップの技術をよりチームに取り入れられれば「川崎フロンターレ」対策を打破するきっかけになるかもしれません。

 

しかし、センターバックのビルドアップが課題ですが、鬼木監督としては、それを認識つつも守備の技術、強度の高さを優先した方がチームの利益になると判断して、谷口とジェジエウをレギュラーで起用していると思います。

 

ボールを運ぶ、配球する能力は車屋、山村のペアの方が高いですが、反面、数的不利の状況や前線に人数をかける事で生じる自陣のスペースで相手の攻撃を防ぐ守備の強度や技術はレギュラーの谷口、ジェジエウのペアの方が上です。ビルドアップと守備強度を天秤にかけた結果、後者を重視し谷口、ジェジエウがレギュラーとして起用されているのだと思います。この試合の失点シーンの様にサイドバック裏のスペースにボールを入れられた場面、谷口やジェジエウであれば、クロスを入れられる前に個人能力でボールを奪うかクリアしていたと見ています。

 

次節はアウェイでサンフレッチェ広島戦、こちらは中2日ですが、サンフレッチェ広島は中11日での試合となります。昨シーズンのアウェイ大分トリニータ戦を思わせる状況です。加えて、川崎フロンターレと相性最悪のジンクスとなる「24時間テレビ」の放送日の試合なので個人的には引き分けられれば御の字です。勝てるとすれば、1-0と予想しています。最近セットプレーで良い形が作れていないので、セットプレーでゴールを奪い、相手の攻撃を受け流したり、凌いだりしつつ勝ち点3を取れれば良いですね。