2021年シーズン Jリーグ 第15節 川崎フロンターレー横浜FC 感想

等々力陸上競技場で行われた川崎フロンターレ横浜FCの試合は、3-1で川崎フロンターレが勝利。3ゴールを奪い、アウェイ名古屋戦以来の「鬼木ノルマ」(1試合3ゴール以上奪っての勝利)を達成しました。

 

3ゴールを奪い勝利したのは良いのですが、この試合最も考えさせられたのが、3点目を奪ってからの試合運びでした。運動量が落ち、アンカーのシミッチの両脇のスペースを起点に横浜FCがチャンスを作り出し、自陣に押し込まれる時間が長くなりました。スタジアムで脇のスペースが気になるなら、一人落として塞いでしまえば良いのにと思いながら見ていました。

 

これが意図した状況であれば良いのですが、明らかに「押し込ませた」のではなく、「押し込まれていました」。押し込まれ、自陣内でパスミス、動きのズレ、トラップミスが増え、それが失点につながりました。とても3点リードしているチームの振る舞いではありません。なぜこんなにバタバタしているのか?。引き分けたホーム仙台戦でも書きましたが、試合をクローズするのが本当に下手です。

 

個人的な感覚ですが、「目が合っていない」と思いました。状況毎に何を優先するのかが共有できていない。ボールを保持したい選手、ボールを運びたい選手、相手に持たせたい選手、ピッチに立っている11人でやりたい事が違っていました。これを合わせるのは難しい事なのですが、合わせないとそれは「隙」に変わります。

 

6月下旬から始まるACL(アジアチャンピオンズリーグ)では、個人能力が高く、独力でゴールを奪える選手がいる対戦相手が増えてきます。僅かな隙から失点、勝ち点を失う事が十分に考えられます。Jリーグで出来ない事がACLの試合で出来るはずがありません。ホーム名古屋戦から続くこの課題にどう向き合って改善するのか、ACLまでの4試合(リーグ3試合 天皇杯1試合)はこの点により注目しようと思います。

 

試合後のコメントを読むと、選手達も試合運びが上手くいかなかった事は、理解している様です。以下、公式サイト試合後コメントから引用した山根と旗手のコメントです。

 

山根コメント

後半に少しバタバタするとことはある。相手が来ても、冷静に見たらそんなに来ていないこともある。ボールを動かして、相手を押し込んでいけたら良かった。無理にチャレンジして奪われて、というシーンが何回かあった。自分のアピールとチームのバランスを、うまくやっていければと思う。

 

旗手コメント

これから連戦が続くが、湘南、鹿島と、球際やハードワークといった基本を忠実に続けるチーム。まずは自分たちもそういったベースの部分を怠らず、隙を見せず、その上で攻撃の質でひとつふたつ上回りたい。

 

次節はアウェイで湘南ベルマーレ戦。粘り強い戦いで勝ち点を堅実に積み重ねているチームなので、簡単に勝てる試合にはならないでしょう。どんな試合になるのか楽しみです。